情然研究所 ――哲学・神学・科学を横断して自由に真理を追究する
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設立主旨・理念

 

 

1秒間に1000兆回以上もの浮動小数点演算をこなすスーパーコンピュータによって、人間の遺伝情報(ゲノム)はつぶさに解析され、大脳生理学は、心の動きと脳内の化学変化との関連性を突き止め、脳の中に「心の地図」を描き出そうとしています。

長い歴史をかけた知識と技術の集積によって、ミクロ世界からマクロ世界まで人類は数多くの謎を解明してきました。
しかしその一方で、古代ギリシャの頃から問われてきた、最も身近で子供から大人まで誰もが抱くであろう素朴な問いかけが、いまだに解決されないまま棚上げにされています。

それは、日々の生活から人生の目的、世界の平和にまで関連するテーマ――つまり「自分とは何か」「どこから来てどこへ行こうとしているのか」という問いです。

もちろん、宗教や哲学、心理学など、それぞれの立場からさまざまな答えが提示されてはいますが、根本的な解決に到達したといえるものは、まだどこにも見当たりません。
いま世界中から著名な哲学者、宗教者、科学者を集めたとしても、100人の中高生の半数も納得させることはできないのではないでしょうか。

数千年の歴史を通じて無数の頭脳が思考を重ねてきたにもかかわらず、いまだに明確な答えがないのだから、それは本来的に解決不可能な問題であるとして、真理探究そのものを放棄する立場もあります。
絶対的な真理などないとする価値相対主義もその一つ。

しかし私たちは、人類の理性と感性を総動員して真摯に取り組むならば、そして求め続けるならば、きっと究極の真理に到達できると信じています。そしてそれを多くの人と分かち合うことも可能だと。

そのためには哲学、科学、宗教・宗派の壁を越えて自由闊達に議論、研究する場が必要です。
情研は、そうした学際的研究機関の一つでありたいと考えています。